白い狼煙 五/信天翁
 
   歩き慣れたプロムナードの果て
靄のかかった森をながめて立ち止まる
   杖を支えにねこぜをそらして─
     林の奥は冷たいつむじ風と
リグレットのトルソが潜んでいるのか
   木立のあいだには寒い光の帯と
 カルマの埴輪が立ち並んでいるのか
    そして・・・よくみつめると
  黒い枝先からはたちのぼっていた
      鬼籍らしい白いのろしが
    積乱雲にすいこまれるように
戻る   Point(2)