まるで閉じられた目蓋が開いただけとでもいうように/ホロウ・シカエルボク
 





日常の中空にぽっかりと空いた
それはそれはおぞましい
真っ白い穴を眺め
メタル・マシーン・ミュージック、のような
冷笑的なノイズ
俺は
やがて窓に突撃して死ぬ雀なのだろうか
などと
ぼんやりと考える
小さな音でフォークソングが流れていて
静かなハーモニカがフェイド・アウトした
その瞬間
延髄にしのび足みたいな風が吹いて、そのとき
俺は気づいたのだ、後ろにもこれと同じ穴が空いていることを
なぜこんなものが、なんて
考えもしなかった、考えたところで
納得出来る答えなどあるわけもなかった、代わりに
この穴の中に潜んで
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