じぶんのポケットにしまうことにした/天野茂典
金曜日がおわった
一週間が長い
精神病を患ったからか
初老の痛みか
『詩は青春の文学である』
と関根弘はいったが
詩はだから宇宙のように
果てへ去りつつあるのか
ぼくからは自分がみえない
いっそ燃やしてしまおうか
ぼくのなかの詩の繭を
もうがたがたで
紡ぎ方もわからないのだから
絹糸を吐き出せないのだから
草臥れてしまった
ブルーノート
60年代のJAZZよ
まぶしかったあなた
草のように階段にもたれかかっ
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