虹とスニーカーと奇想/比良末潮里
 
隣に彼がいないのをいいことに
オナニーする夕暮れの美少女は
悲壮感漂ってグラフィカルな幻覚をみる

もっぱらハウスかテクノのピコポコ電子音苛まれ 焦りばかりの毎日
蛍光カラーがポップに散歩する

これって噂の自動思考か。
「どうせ私なんて…」でリピートしてさっきから百回くらい止まらない
抱きしめられたぶんだけの幸せを返そうと思っても、そんな時キミはいつもいない

脈絡のひとつもつかまえられないまんま
メリーゴーランド回転して
あっち側に行けない

監視カメラがあちこちで目をギラギラさせて、私の脳内を掻き回して引っ張り出す

きっと
本当の自分なんか見捨てられる
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