あれかこれか/ハァモニィベル
 
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初めて見る彼女は、もう何度もネット上の会話をしている奇妙な顔見知り?そんな不思議な偶然も無いとは言い切れぬ。枠の中の世界が実体を持って裏返されたような瞬間。檸檬のような―― 一瞬。
    *
彼女は、読書会の記事を興味深かそうに読みつづける。ルージュ・ココの口唇がちょっとほころんだのがわかった。
リンクを飛んで、私の投稿した詩が、彼女のスマフォの画面上に現れた。わたしの詩だ。意識を集中した彼女の美しい瞳が、その詩を、読み始めた。


 《フェラーリのような女が、颯爽と乗込んで来た時、・・・》








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