あれかこれか/ハァモニィベル
 
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それは、夜だった、し……
……それに、海は、嵐だった。

だが、――響く 、あの声。
(哀しく、美しい鳴き声)
   ――五色鶸のアリアよ。

五感の全てを、
  支配した君が、
冷酷に微笑む夢。

幻影の激しい渦に、
 しだいに、甘く溶け込むうち、
忘れてしまった〈僕〉が 
    ぼくを 
また見つけ出す。
透き通った その手をのばし、
    指を 
こちらの方に突きつける。

寂しさに噛まれたまま、
嵐の夜ばかりが
打ち寄せる
  波のように。




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庭に潜む秘密は、知られては
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