『秋はやさしい』/木製金属
窓の外は自動車の音
擦り切れた週末 ふとんから出れず
しがらみから ゆっくり体を取り戻していく
換気扇は回したままの部屋
頭の中 こじらせた話で満たされて
静かにお湯の中に潜って
甘く溶けきった 頭を叩く作業
私の中の私の話
毎日目覚めながら 変わっていく
ありふれた言い伝え 今は閉口
わかっているふりで許してほしい
少し邪悪な私は疲れて
光を あなたを
狼煙をもやでごまかして
夜更けは何も言わず
ミスした私は ひとり
今夜は眠ろう 誰にも触れさせずに
秋はやさしい あやまる心の背に触れている
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