『 夢セイRunの着床 』/狩心
 
うに
 始まりを求めないように
 始まっている

 遠くのコウジョウで立ち昇る水蒸気と
 競うようにしてハク、体を包み込む透明なイキ、
 その迷彩

 お供亡き「 その 」
 私を離れた私の
  イシのナイ
  迷いの純粋な
  仏体の倒立

 無声ランの友を秘めて
 地名的で致命的な
 一名的位置の迷滴
 <弾shock>

 ヒ、目事の夜に/花咲く
 重決の朝、

 赤いチの蜘蛛の巣に捕らえられて
 乾き切った小さなチョウ
 それでも尚、
 まぶたを閉じない

 遠くから聞こえる
 アナタへの
 アイ





戻る   Point(2)