14 の ソネット♪/ハァモニィベル
とう事件は起きた。突然、
広大な屋敷は停電し、驚く間もなく夕食のグラスに混入された睡眠薬で皆、昏睡する。俺は、グラスに
口をつけて止め、暗闇でものを見る手立ても心得ていた。気づかれぬように、夜光塗料を全員の背中の急所
の位置に擦ってもおいたのだ。俺は、その塗料が素早く部屋を出るのを追った。廊下でその塗料を狙って撃つ。
犯人を確認した依頼人が突然、「よくも、息子を」と言って銃を向けてくる。こんな理不尽にも俺は慣れていた。
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【笑顔】
モノクロの映画が、僕の方を、じっと観ていた。
僕の黒い瞳は、、薔薇色の少女の口元だけを観
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