14 の ソネット♪/ハァモニィベル
そんな空を、眺めていた・・・或る日曜の朝。
たった今書き始めた小説の感想が、どいうわけだか、未来から届いた。
とても面白いのだ、と言う。・・・そして、それは、
剥製になった彼女を見ては泣いている男の話だという。
全然見に覚えのない、まったく考えてもいない内容だった。
そこへ、背筋の伸びた女が入って来るなり、突然、「原稿はできましたか」、と
一方的に捲し立てるので、頭をなんとか整理して、そんな約束はありません、と、
ようやく言おうとしたところに、いつの間に上がりこんだのか、爪の長い女が、
当然のように部屋にいて、漲る自信で「まだです」、と答えた。
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