14 の ソネット♪/ハァモニィベル
 
眠っていたのに、
彼女はとつぜん、

頁をめくるように、
眠りから解かれた。
カーテンの向こうを
通りすぎてゆく朝、

陽だまりを
憎むほどの
午後、

タマネギを
見つめてしまうほどの夜
しか、ないというのに。



   3

 ♪季節のしりとり

春に置き去りにされた心を、
夏が迎えに来るなんて残酷すぎる。
勝手に、秋になるくせに。
冬だけがやさしい。

冬は冬眠して乗り切り――
――春はリラックスして春眠――
……‥・・・・夏は氷枕で仮眠をし・・・・
―――秋は惰眠を貪る――――――

秋は、枯れ葉。
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