14 の ソネット♪/ハァモニィベル
 
   1

 灰色のソネット

燃え尽き、まっ白な灰に
なり、風に散った、
夢がまだ、今も瞼の裏で、
燃えている。

焼けた誰かの夢を、
今日も世界が、
ふぅふぅ吹いて、
食べる音がする。

沈黙の中を落ちていく、雪のような
悲しみは、深い穴の中で、
凍りつき、垂れ下がり、氷柱となる。

まるで昨日のような今日を、
明日も誰かが、フゥフゥ言って、
生きる声がする。



   2

 春のかなしみ

冬の雪よりも深い、春のかなしみを
憂えるあまり、咆哮も、彷徨もせずに、
ただ、しずかに揺り椅子に眠っ
[次のページ]
戻る   Point(3)