「銀河鉄道」残された手紙/最都 優
 

君はもう覚えているだろうか
君にも母がいたことを
好きで仕方ない娘がいたことを

銀河鉄道のお迎えも
切符も、全部捨てたよ

僕もきっと この町にいる限り
いつかは乗るのだろうって思ってる

25を越えた若者には分岐の列車がやってくるって

君がいっていたから、、

またエイプリルフールのこの日に
町から1人 列車に乗る人がいる

きっと君がいる場所に いくのだろう

君は元気なのだろうか?
いつか届くとするなら

帰る時に この手紙の封を開けて欲しいんだ

じゃなきゃ いつでも捨てて欲しいんだ

僕らの町では
君をいつでも 待っていて

これを読んでいると言うことは

もう君は
帰りの電車への 切符も
乗り方も知っている筈なのだから

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