ひとつ かたわら ?/木立 悟
 





ほんの少しの
夜のふくらみ
匂いの粉が
ふちどるかたち


奥に向かい
手をひらく
ひとつは土に
ひとつは空に


夜のうろこ
夜をすぎ
行方はひかり
細くひかり


わたしそこねた
想いしたたり
からだは重く
からだは寒く


淡くかがやく
野の前に立ち
腕は痛み
こがねに染まり


うたがひとつ
かたわらに臥せ
どこからか来た花びらを
うたのかたちのうたかたに呑む


したたりは深く
したたりは濃く
夜の内壁を伝う手は
震える双つの芽に出会う


星をつなぐ金の文字
見えない片方の目にそそぎ
淵に底に降りつもり
異なる夜にまたたいている
























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