宝石/吉岡ペペロ
ぼくは汚いこころで
宝石が他人の手で磨かれてゆくさまを思っていた
たぶんそれは
傷つかないための練習だ
なのに練習だけで
ぼくはからだじゅうを痛くしていた
たぶんそれは
もうこれ以上
こころに傷つく場所なんかないからだ
足も
背中も
お腹も
腕も
ぼくは汚いこころで
宝石が他人の手で磨かれてゆくさまを思っていた
たぶんそれは
傷つかないための練習だ
なのに練習だけで
ぼくはからだじゅうを痛くしていた
たぶんそれは
もうこれ以上
こころに傷つく場所なんかないからだ
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