地球の先でノックダウン / ぼくは想像する太いモヤシだ/beebee
 



ぼくはズンズン身長が伸びて来て
視界が俯瞰して行くんだ。

小さな町の煙突を抜け
東京スカイツリーを抜け
視野が120度、180度、、、、360度に成った。
ついに雲を抜けると遠くで富士山が手を振ってくれる。

ぐんぐん、ぐんぐん、ずんずん、ずんずん。
大気圏を抜けると太陽の紫外線に頭がくらくらするんだ。
人工衛星が頬を引っ掻いた。
眼をつむって背を伸ばして行くと
横向いていた月が慌てて正面を向いてくれた。
でも、ぐうわぁあん、追突した。

モヤシより細く伸びて来たぼくはポキリッと折れてしまう。
イヤーんと叫ぶ暇もな
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