叫びだす無数の窓/高原漣
 
閉ざされた窓のむこうにひこうき雲が

長い長い航跡をのこしてゆく

銀色の四発機がひっそりと曳く

その青を刻む白いもやが

私のこころに軛をはめる

そして数えきれない窓たちが

いっせいに叫び声をあげる

BooOoOOOWwwuuuuuuunnnNNN……

それは、抗議だろうか

それは、悲嘆だろうか

それは、くだけた空のかけらだろうか


かげろうが、街のあちこちから昇る

窓は、黙った。
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