目よ見よ見えない言の花/ただのみきや
 
魚の
        卵
         韻律の白濁
それは
   わたくしの
        失くした
            ひとみたち
掌から
   仰ぎ見る
       空虚な自我
            風の戯れ
            
カタコンベ
     双子の少女
          白髪の
             干した無花果
スカシバの
     時を止める
          百万回の
              まばたきが
混濁させる
     虚と実
        仄暗い
           生と死
{ルビ止=や
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