世界の外側/葉leaf
世界の外側
世界の外側に
もう一人僕がいる
あるいはそれは
何人もいる僕のうちの
たかだか一人に
過ぎないのかもしれないが
この世界の外側に
もう一人僕がいる
あの日君は喜んでいた
試験に受かったと喜んでいた
共に勉強していた僕も嬉しかった
だがそんな僕と君を
何の感動もなく受け流していた僕がいた
喜びと石ころにまったく区別をつけずに
世界の外側の
天国も地獄も追いつかないような場所で
あの日僕は驚き悲しんでいた
とんでもない地震と津波が起きて
ひどく揺れたし人が沢山死んだ
僕は言葉を発することができず
沈黙の中に無量の意味を込めようとした
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