赤い血だ、へんなの/ホロウ・シカエルボク
いつかすべての花が閉じるときに
できることならそれは夜明けがいい
未定の連鎖を勝手に感じさせる
できることならそれは夜明けがいい
かすみ草の花束のなかに
プラスティック爆弾を隠して
ひとりの少女が街路のくぼみになった
「神様のため」と諭されて
すんなりと頷いた
彼女にすればそれは当たり前のことで
いつか自分もそんなことができたらと考えていた
彼女はサニーという名の
小麦色の肌の愛くるしい娘だった
その年十になったばかりだった
本をよく読む子で
とても物覚えが良かった
それが行われる前夜、彼女の前にはご馳走が並んだ
「この
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