あやまちの国/クナリ
 
ら知っていた
分かっていて耐えなかった
叫びたかったから叫んだ
それだけです

行き止まりの床から頭を離す
落ちている髪の毛
さっき拾ったはずなのに
それらとは違う髪
違う髪
昔とはもう違う私
他人の思い出の中にはまだいる
でも私の中にはもういない
あれは誰で誰だった
抜け落ちたらもう他人
通り過ぎたらもう忘却

とどめは自分の手で刺そうよ

違う
違う

けりは自分でつけようよ

違う
違う

私の部屋に
私一人でいるとき
私は一番間違える

違う
違う!

そんなことを、
心から願っているはずがない!

そうかたく信じている誤謬を
それなのに
誤謬のままに
私が今日も叫んだ。


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