老人と水鳥/
游月 昭
ていた葉は一斉に舞い上がり
曲線を描きながら枝を追う
空高くから水鳥の群れが飛来し
雲が羽根に掻き分けられるように開く
陽が差しはじめ
湖面の水鳥は歓喜の声を上げる
群れが次々に降り立つと
水面にさざ波が立ち
無数の光が生まれた
老人は大木の根もとに枝を差し
深く一礼をして振りかえり
水鳥をみつめていた
しばらくの後
老人はふたたび腰を曲げ
森の小路へと入っていった
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