血管少女/るるりら
どどど ど
どどど ど
子葉は四方八方にのび 光を受けて絶えず延び
より先端に実をつける はれやかに赤く透明な よりスグリ
あれは夢だったのか/わたしは 何者なのか/
布団から飛び起きて
夢の中でみた自分の姿を ノートに急いで描いた。
緑と紫にキャンパスは彩る。いよいよ先端の実を描こうとしたが
チューブの先が 硬化して 色が出なかった。
がっつりと大地つかんでいた私の身体の色が出せない
やがて、静脈のように毒々しい色の絵が できあがり、
教室の片隅に飾られた。
絵が
夜な夜な赤い実を増やしているとは、
まだ だれも きがついていない。
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