満足/はるな
 
った(未熟児の親ではないので)。花ちゃんは新生児室でいちばん大きくて、とくに頭が、ほかのひとの二倍もあるように見えた。赤ん坊たちは透明のプラスチックでできた清潔なベッドをひとりひとつずつ与えられて、眠ったり、起きたり、泣いたりしていた。
授乳室のソファにすわって、花ちゃんのおでこのあたりからしていた血なまぐさい匂いがだんだんと消えていくのを、さびしい気持で味わいながら、わたしは満足していました。

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