アグネシュカ 夜明けの森/石瀬琳々
夜明けの森を夢見た わたしの閉じたまぶたは
光によってひらかれる あなたの白い
春のような指さきで
わたしのためにあなたは生きていた
わたしが悲しいときははらはらと涙を流した
嬉しいときはあなたは花のように微笑んで
黄昏がさびしいと
水のきらめきが美しいとこころを痛める
光と影のようにいつも隣り合って過ごした
もうひとりのわたし
手をのばせば今すぐあなたに触れるだろう
すみれの花を抱えて途方にくれないように
花の匂いにむせてあなたを見失わないように
一心に森を駆け抜けた 生まれたばかりの足で
(どこかで鐘が鳴り響く 耳の奥で
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