恋/游月 昭
 
間見た唇からこぼれる花の吐息に
私は
皮膚という壁を通り越した




ジグソーパズルのピースが
合わないと分かっていながら
はめ込もうと
まばたきもせず
ただ独り




太陽が強すぎて
私の姿はアリのようにちいさく
貴女に踏まれ
体液を靴の染みにして
消えよう




凶器であった筈のナイフは
草むらで人知れず錆びていく




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