Gass(中毒なんて視点で語るならたぶん)/ホロウ・シカエルボク
ちは、取り戻せないことについてあれこれと唇を尖らせるしかやることがない―詩人はアジテイターじゃない、詩人は無頼漢ではない、詩人はインテリじゃない、詩人はただの傍観者だ、おのれの流れを傍観して記していくのだ、そしてそれを馬鹿みたいに読み返すのだ、そうさ、過去を現在に再生する手段があるとしたら、それは観念的なものとして記録しておくことに違いない、俺は音楽を聞きながら今日を記している、それはいつかこれを読み返すときに、鮮やかな過去として脳髄を突っつくだろう、生きる理由はここにある、生きる価値はここにある、正常な時間軸の中で自分をぶん回して…吐瀉物のようにあふれ出した言葉たち、排水ポンプの中で沈殿した昨日が嫌なにおいを立てる生温い春、おれはディスプレイに突っ伏して首を吊る夢を見ていた。
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