Gass(中毒なんて視点で語るならたぶん)/ホロウ・シカエルボク
排水パイプの中で沈殿した昨日が嫌なにおいを立てる生温い春の、腐った血液のような時間の行進だ、おれは目玉をぐるぐると回しながらなんとか収まりのいいチャンネルを見つけようとして夜明け前から躍起になっていたがとうとうどうしようもなくなってすべてを投げ出した、軽い、乾いた音を立ててゴミ箱に落ちていく今日、朝までの雨のせいで執拗な湿気だ、夜のうちに二度目のシャワーを浴びておこうかと悩みながら、けれどもきっとそのまま寝床にもぐりこむだろう、絶対にやらなければならないことなどないのだ、必然とはなにかしら有意義なことをしていると思い込みたい馬鹿どものまじないだ、春の陽気にのぼせて馬鹿になった脳味噌があ
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