青春の頃〜ファウスト/Terry
 
 市立病院から一つ川を隔てた場所で、その時代の流行であるナイキなどのシューズを仲間が履いて、達夫もそこでストリートバスケットボールを楽しんでいた。そのコートはどこかの社長の息子のために設立されたそうだ。横にはフォークリフトが見えて、たまに作業員が話しかけてくる。作業員は達夫たちが東脇高校ということで、自由にコートを使ってもよいと口では言わないものの、それといった注意はしなかった。
 達夫は父から東脇高校に進学してからお小遣いを毎週千円に増やしてもらい、プレミアが付いたシューズこそ手に入らないものの、夏期用のコールドスプレーやプレーの合間にジュースを飲みながら談笑していた。飲み物は、達夫たちが日課
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