そこにたどりつく夢/
遙洋
果樹よ
みはたわわか
きょうわたしは帰る
だれもいない故郷
だれも食べることない実が
熟れて落ちて土に帰るなら
わたしも帰る
静かな庭に
沈みおちる
音もなく
過ぎる
いく月終える
落葉埋もれる
鳥なく
声なく
目を閉じねむるそこに
わたしも帰る
果樹よ
ひとつでも
みはなっているか
みずみずしく空に
ろうろう映えるうた
それが落ちるところへ
きょうわたしは帰る
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