うつろい/游月 昭
 

街路樹を支える組み木が
窮屈になりつつある様子
いつか外されて炎に消えるのだろう

スッキリとした詩文をと思い
言葉を組み換え組み上げ
いつまでも決まらず
そうしている間に雨が落ちてくる
組み木は濡れて黒くなっていく

隣の組み木には樹が立っていない
根もとである筈の場所には
雑草が花火のように生え
無言のまま
廃屋を作り上げている


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