湧出鬼没 (三篇のオムニバス)/るるりら
 
ているものだ。未来のことに真剣なのだ。
おまけに亀ときたら 後ろに進むことが苦手なので、
亀は未来にむかって着実に足を進める

言霊は 
甲骨文字を内側に秘めた亀たちの背中の中だ。
亀たちは 街を部屋という部屋を歩き回り 言霊の卵を産卵しはじめている。
人間たちは 今は すこしも気が付かない。
言霊を背中にしょった亀たちを 知らない。

言霊の卵を生む亀は、泣いている。
すこしは ましに なってくれよ。泣きながら願う祈りとともに
卵が、産まれつづけている。




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追記
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メビウスリンクというサイトで連詩として投稿させていただいたものと
詩の勉強会の課題として提出させていただいたものを 合わせて オムニバスとさせていただきました。
http://mb2.jp/_gsk/241.html
http://mb2.jp/_aria/844.html-71#RES
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