湧出鬼没 (三篇のオムニバス)/るるりら
 
羨ましい生き方だと言われてマスカラ ええ計算しつくしてマスカラ

覚悟して地平線に近づこうと むこう側をつぎつぎと開示しマスカラ
それでも地平線には辿りつけない美の線路 
1000年後の世界へと帰るために開示しつづけマスカラ
「千年前は、まだスマートフォンですから」世界の重さも数gですから
ここでは今日も 誰も見ていない夕日が薔薇色に落ちてゆきますから
わたしは もう 未来に還ります。

白線の内側は、線路を中心におくと、 そちらではないですから  
右の耳から 左の耳穴に音が飛びぬけてゆく モーメントにありますから
寂しがり屋のマネキンのつけまつげは速乾性 泪でヌレテも平気
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