夜の魚/きとり
 
還りたい


そのままに進化する



ただ一つのドア


開く予感に走り出す



蜘の糸でつながるガラス


ゆっくりとはがれ


無数の真っ白な蝶


舞い上がる


広がり


包み込む


解き放たれる



ああ 待ち望んだ夜の香り



夜に棲む魚


誰の腕もすり抜け


留まることはない


進化を遂げた羽根を広げ


瞬く合間に



夜の隙間へ還える




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