土に目を細めて/
番田
考古学博物館で印象に残ったのは
ペンダントの形の小さな昆虫 だけど
その姿を 近所の空き地で探しても
それはどこにも見つかるはずもなかった
青銅器の鏡を前にして立ち
じっと見つめていると 鏡には
レプリカという 文字が プレートの
隅に 静かに 打ちこまれていた
パリの街に初めて立った時
頭の中に軽い目眩を覚えたのを覚えている
その歴史の重みの上にある
あまりにも分厚過ぎる時の中で
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