姉ちゃんの本棚のホットロード、/末下りょう
 

海岸沿いの分岐点に消える
金髪の後ろ姿



それらは僕に吹きつけるある瞬間をなお支配する気分の、感傷の、産みの親になった
久しぶりに漫喫でホットロードを読んだ
使い果たしたはずの明日が
埋められていくようで
泣きそうになる

冷めたアスファルトがタイヤの熱に溶けても
風は青いまま、マフラーを鳴らして
煌めく波打ち際 、
おさない影を伸ばして歩く、2人の距離は
そのままに



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