かくも愛すべき水底の。/ホロウ・シカエルボク
恋人たちが爆死するサマー・ボリディ、灯台から灯台へと渡されたタイト・ロープの上で呑み過ぎた予言者が呂律の回らぬ口を開く…「そこら中が地雷原だ」と。フルーツ・フレーバーの歯磨き粉はセサミ・ストリートに胸躍らせた幼い日を連想させる、ロックンロールの流れるラジオ、六十年代のままに…スーパー・ボールみたいなビートをサッと捕まえて自分のものにしたかった、それはほんとのことだ。ゴブリンは窓枠で、ランプシェードが黒をかぶるまでお行儀よく待っている、どんな世界にも待つべきことはある、丁寧に挽かれ淹れられたコーヒーを飲み干すと確かな息吹がその中には潜んでいる―純粋であり続けるには途方もない才能が必要だ、
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