詩の文脈化/葉leaf
詩を書く人たちは様々だ。だが、一部の詩人たちは何を書いても金太郎飴であり、そこに詩人独自の書法は見えこそすれ、詩の世界の深まりや人間洞察の深まり、思想の強度が見いだせないことがよくある。確かにそういう詩人たちは技術的に優れている。だが、その技術の卓越に安住していないだろうか。一つのスタイルを確立するのは確かに容易ではないし、そのスタイルを維持するために費やされる機知の量もかなりのものであろう。だが、技術は結局原理的に語りえない知識であり、それは職人的に磨くよりすべはないものだ。職人がものづくりの技術を磨くように、一部の詩人たちは技術を最上の目的とし、詩の完成度を高めることのみに執心しているように
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