カモがネギしょってやってきた/天野茂典
 
  

   疲労は龍のようにはねていた

   生きるってことは淋しいことだ

   キルケゴールも言っている

   『死しにいたる病』を病んでいる

   女も男もみんな一生懸命生きているのだ

   そのこと自体当たり前のことで

   誰もほめてくれなんかくれやしれない

   だから自分でほめてやるしかない

   疲労が龍のようにはねている

   龍の目に●印を入れるのは自分でしかない

   あまり疲れすぎると作品は作れない

   ノンフィクションになるからだ

   ぼくは詩をロマンだとおもっている

   ロマンチックのロマンではない

   古典主義に対するロマンだ ロマン主義者だ

   破壊者だ

   いまぼくは詩人からいちばんとおいところに

   いるのだと思う


             2005・01・19 



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