Amekuri/Debby
示し合わせたように月曜を休む。たぶん、本当に示し合わせたんだろう。なにせ狭い町のことだ。かつて、カラオケスナックの女の子を巡って転げあいの乱闘を展開した店主たちは、今日も通りを一つまたいで同じ町に暮らしている。
雨繰りはかつて、この日々に少しばかりの嫌気がさし、自分でバリカンを買って風呂場で自ら刈り上げてしまったことがある。それほど旧い話ではない。だから、彼の頭は今なんとも表現しがたい状態だ。早く切ってしまいたいが、どうにも休みは月曜である。しかし、坊主頭の日々にはすっかり嫌気がさしてしまった。一つの嫌気が去って、また一つの嫌気がやってくる。
雨は降らせない。もうずっと昔、雨繰りはそう
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)