俺の今生という名の道標/ホロウ・シカエルボク
狂ったようにいくつもの音が頭の中で鳴り響く、魚眼レンズを覗いたように景色は不確かだ、俺はゆがみのみで現実を把握しながら、真っ直ぐに歩こうと今生に根差している、靴底が踏みしめる地面は誰かの血で赤黒く染まっている、俺にはそれが未来の俺が流したもののように思えてならないのだ、未来の俺が後悔のもとに流した血が時を越えて、阻止の意味を込めて今の俺の足元を染めているのではないかと…でもそんなものはちょっとした思い込みに過ぎないさ、未来に後悔があるのなら俺は今の俺のまま生きてきはしなかっただろう、誰かと同じように思い直して堅実に努めてきただろうさ、それを選択しなかったからこそ今ここにこの俺が居るのだ―そ
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