おさななじみ/bookofheaven
 
わたしは覚えている
あなたはわたしの詩をよんで
あなたはわたしの言葉をよんで
これがすきだと
はにかむように笑ってくれた

わたしは覚えている
あなたは太陽の下で
あなたは吹雪のなかで
少しつかれて
でもしかたないって顔して
笑ってくれた

それで十分でした
それだけでうれしかった
あなたのなかに
あなたの目線の上に
わたしは確かに存在していて
それを感じられるだけでよかった
なにも足したり加えたくはない
そのままでいい
あの頃には思いもつかなかった長い年月が
あのときの光景に上書きされていく
若かったあなたの笑顔が
いまのあなたに重ね塗りされていく
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