何もわからないのうた/なけま、たへるよんう゛くを
 
ふるさと}重ねた牛も吠え
暴れる指間に黄泉(よもつ)の絵

風の避(さ)けるは私の火
骨も砕くは私の火
うるさい音なら奴のせい
賑やみ嬉しは僕のせい
夏も桜の春花(はるばな)殺し
冬も秋空(あきぞら)白く汚すの
止まぬ雨のち鬼は滅ぶが
畑の玉の子鬼が食う
隣の善き人僕でない
それが悪でも僕でない

ゴミに役立つゴミもある
空に色無き空もある
足を急かせば追い越せるもの
御手(みて)当て添えば癒せるもの
今なら言えるか
言えとも言えぬ

やっておいたが時が無い
貯めておいたが時が無い
嘘も吐(つ)いても転がせ心
誠の前では困り顔
死なぬものなど居ないと知って
言われて死ぬなら何故話す
はいもいいえも僕の意見で
クズも乱世にゃ良い男

強くなくても抗うべきか
弱くなくても鎮まるべきか

善いが苦しく
悪いは楽し

逃げてどこまで霞(かすみ)と踊れ
何もなんにもわからない

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