山羊を見る羊/クナリ
出会いが一期一会というのは、今のところ、まだ変わらない。
ネットワークの向こう側、いつでもつながれる振りをして、そううそぶく仕組みたち。
誰も、いつまでもそこにいるわけがない。
つながっているのならば……、
今、伝えなければネ。
今。
この今。
いや、明日にしようよ。
明日のようないつかにしようよ。
明日も今日と同じだよ。
明日くらいまではつながっているよ。
そして消えて
空に波音。
純粋になれば、愛されると思ったのか。
海を渡った、山羊への手紙を抱えて、
我は羊……、波にのまるる。
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