メモ/佐藤伊織
因果が 眼鏡をかけた男の統計的手段によって
幾何学的なネットワーク構造に編まれている
秩序だって組立てられたものも
カオスも情緒も彼にはいらなかった。
不合理と不可解
つまり必要なのは
数理にも言語にも相互に規定しあい
3000年間解けなかった問題が
あっさりと少年のある晴れた日のベッドの上で
一つの記号法となって形式化されてしまう
群知能は地球上を覆い尽くし
もはや地上には空がない
因果の糸を手繰りながら
統計学者達が人間のいた形跡を
検定している
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