後の祭り/なをり
 
僕は以前住んでいたマンションに帰ってきた。
駐車場でたくさんの女の人が踊っていて、おしりが丸出しだったけど、あけすけで魅力がなかった。僕は部屋に帰るのをやめて、持っていたはずのない車に向かった。僕の車に僕の知らない人が乗っている。それも十人くらい乗ってていて、くわえた煙草から紫の煙をくゆらせている。いつからこんなに豪奢な遊びをするようになったんだ?
「せめて鍵くらいは閉めといてくれ。」
乗りなれないバスにのる。一分ほどで景色が山林になった。見慣れない住宅街を抜けて、見たことあるような高架下にとまった。誰もおりないので、客が悪態をついた。
「ボタン押したの誰。」「いたずら?」
「それなら僕
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