君を迎えにいく/YAMATOMO
自転車で坂を下っていると
君の顔が浮かんできて
私を後ろに乗せて
笑う君に負けそうになる
バイト帰りに疲れ切った俺を
気軽に呼び出す君に
一度腹を立てたフリをして
しかたないなぁ
ってペダルを漕ぎ出している
俺はなんて弱いんだと思いながらも
実は、幸せだったりもしてる
ちょっと長めの赤いマフラーを首に巻いて
それはきっと君のためだよ
いつも通る道の街灯が
一つだけ灯かないままになってるのは
恋人同士が顔を近づけてキスをするため
そんな風に考える自分がバカだと思った
澄んだ空に星空が見えた
君の待ってる場所まであと少しだから
坂を下っている
君の顔が見えてきた
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