【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
に浸って衝撃の余波を実感でもするしかない。
友人:それこそ【瞳が黒いまま燃える】みたいに、闇に目がだんだん慣れてくるみたいにね。
澤:わたしは鳥目だからきみのその比喩は実感できないけど、舌平目のムルソーがあらゆる意味で対照的だってことは実感できるよ。こっちの読書経験は、さながら眼科の眼底検査で食らわされる散瞳剤の冷や水、
友人:目が開けば開くほど世界は見えないんだって比喩を、確かに経験したよわたしも!
友人:きみにこの詩を、眼球の構造図と見比べながら読まされたとき、あーこれだわたしが読みたかった詩はこれだって思ったなー。初見一発の言葉尻で「なるほどこいつらは片眼で、つまり偏見な
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