【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
 
んだって感じだね……自分が祈ろうが呪おうが、それで自分に白黒つこうがつくまいが、他者には関係ないのにね。
 澤:そうだね、目を伏せて【星へ上がらない、まじない】(4章)をかけると、その我執に気づくのかもしれない。たとえば、身内の死を悼んで祈りながら、地に眠る幾多の死者を踏みにじって立ってる自分の矛盾とか。自分を立たせてる他者の重力とかいう、みずから編み出した根も葉もない戯言にみずから縛られるような我執、別称詩想とかいうやつに。

 友人:で、3章『まじない』の舞台は、死者の墓でもあるところの地球上。ここでは目を伏せるって行為が重力どおり【星(地球)へ落ちる】ってことになる。って仮定してみても
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