【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
 
この男は頭がいい」という理由で退けたのだ。

 そのような白眼視の文法に、この詩は【死】とレッテルを貼る。諱(意味名)をつけて「仮葬」する。
【負わされた、終わらせられた色の、明度】(4章)この瞑目の眼中は冥土。
「仮想」の「火葬」の業火だが【なにひとつ比喩ではない】(4章)【夢ではない、夢ですらない】(2章)
 見えないものは実在しても知られない。同様に、見えてしまうものは実在しなくても存在してしまう。ヴィトゲンシュタインが言ったじゃないか「私」は世界に属するのでない、それは世界の限界だと。

 読解は、知りもしない他者を見る目は、多かれ少なかれみな偏見の木魂。
 世界の視野を焼
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